商いとはほかでもない、ねばりであるねばりを忘れては儲けることなぞできないし、商いそのものが成り立たない
山崎は生まれて初めてカレーライスというものを口にして、あまりのおいしさにすっかりとりこになった。当時、カレーライスといえばたいへんな高級料理であった。
料理店に行くと、カレー粉はすべて外国からの輸入物だったので値段が高く、庶民の口にはなかなか入らなかった。
「こんなおいしいものを一部の人だけが食べているのではもったいない。なんとしてでも多くの人に食べてもらいたいものだ。そのためには輸入品ではなく、自分の手でつくってみなければ・・・・。」
山崎はおいしいカレー粉のつくり方を一生懸命に考え続けたわけだ。
カレー粉の微妙なおいしさはどこにあるのか、原料はなんであるのか全く見当もつかない状態だったが「人々の豊かさと健やかさのために、味の全てを生み出す」という信念のもと努力を重ね見事にカレー粉の調合に成功した。
創業以来、山崎は“美味求真”を口ぐせにし、本物をつくって人々に提供するためには、いかなる妥協も許さなかった、この精神は今もヱスビーには息づいている。
社是 『美味求真』
企業理念 『香辛料を基本に総合食品文化の道をひたすらに歩む。』
経営の三本柱 『智 遊 健』
【プロフィール】
山崎 峯次郎(やまざき・みねじろう)1903年生まれ。
子供たちの大好きなカレーを苦心に苦心を重ね、日本で初めてカレー粉の国産化、大衆化をなし遂げたカレーの神様である。